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大いなる 螺旋と咆哮の中で 僕は舞う(Act5

Links:十人の中に刻まれる物語

大いなる 螺旋と咆哮の中で 僕は 舞う( Act1 ) written by 大地の軌道 イースレイ

大いなる 螺旋と咆哮の中で 僕は 舞う( Act2 ) written byギンジローの旅路 ギンジロー

大いなる 螺旋と咆哮の中で 僕は 舞う( Act3 ) written by まったり~日記 ユイ


いなる 螺旋と咆哮の中で 僕は 舞う( Act4 ) written by crescent moon メイファ



前回までのあらすじ・・・

ラピス、てぃらみすはハルルを挑発し、ある施設に導くのだった。

一方目的の野営基地でコギー、アウクと合流するイースレイとジロー。

そして、途中出合ったユイ、ギンも一緒に海底プラントGRM研究所施設

に向かうこととなった。




一同はハルルとの待ち合わせ場所にむかっていた。

相変わらずユイはジローの背中ですやすや寝ている。

しかし、しばらくして背中のユイが「ぅん・・・」と微かに動く。

「うぅん・・・えっ!!」目を覚ましジローに背負われていることに気づいた。

ユイ「キャァァァーーー!!なにやってるのよ~!!」

ジローの頭をゴンゴン殴る。

ジロー「うわwちょwwまってww」

慌ててユイを降ろす。

ジロー「背負って来てやったんだから殴んなくてもいいだろ~」

ユイ「え?えっと~そっかうち力使って倒れたんだっけ??」

イース「そうそう。でももう大丈夫そうだな」

ギン「ユイさん!!心配したぜ~。これで安心だ」

ユイ「ギンあなたも無事でよかったわ。あ、コギーさんにアウクさんも一緒なんだ」

イースとジローがあの後のことを簡単に話して聞かせる。

ユイ「そうだったんだ~。ジローさんさっきは殴ったりしてごめんね」

ジロー「いやいいって。オレの背中でよかったらいつでも貸すぜ」

ジローに他意はない。素直に言ってるのだがここまではっきり言われるとテレてしまう。

ユイ「え、そんな迷惑かけられないよ~」

そう言いながらイースのアフロをむしりだした。

イース「いてて・・・ちょwwむしらないで!!でも、なんだこの感覚・・・キモティイィィィーーー!!」

ユイ「え、あ!!ごめ~ん、つい・・・って、いやぁぁぁーーー!!」

アウク「キャッ!イーさんがおかしくなっちゃった~!!」

ジロー「イースどうした!?チコタイトみたいな顔になってるぞ!!」

コギー「頭はムシクイサボテンだね」

ギン「萎え~ww」

イース「ちょwwおまいらww今回はこんな役じゃないんだからねっ!!ちゃんと戻して!」

ジロー「おまw誰に言ってんだ?」

イース「作者・・・」

コギー「ふ~~~ん」

イース「おまwおねがいww」



そんなこんなで研究所施設近くの待ち合わせ場所に到着した。

と、そこにはすでにハルルが待っていいた。なにやら深刻な顔つきだ。

コギー「ごめんハルルさん、遅れました。待ちましたか?」

皆それぞれに挨拶しする。

ハルル「いえ、いいんですよ。いろいろと考え事してましたから。お菓子・・・いえ、兵糧を食べながら」

コギー「いや、兵糧って・・・言い直したほうが変になってますよ。ま、そんなことより」

ハルル「そうですね。今からみなさんに見せたいものがあります。ご同行願えますか?」

イース「もちろん、そのために来たんだからな」

一同もうなずく。


向かう道中、突然通信が入る。

ガーディアンズオペレーター「大変です、みなさん。今例の施設で調査している研究員が
怪しい人影で見つけたので、その施設をサーチしたことろ、爆弾が仕掛けられています。」

ハルル「なんですって」

オペレーター「研究員はすぐに避難させます。爆弾はおよせ30分後に爆発。そのまま爆発させるか
解除するかはみなさんの判断におまかせします。」

イース「みすみす手がかりを消滅させる手はないよな」

ジロー「ああ!解除してみせるさ」

コギー「わたしとアウクに施設の詳細なマップを転送してもらえる?」

オペレーター「分かりました。今送ります」

アウク「・・・来たわ。なるほど20箇所はあるわね」

ユイ「そんなに!?」

ギン「急ごうぜ」

オペレーター「近くにいるガーディアンズにも連絡を取り、そちらに向かってもらいます。聖霊のご加護を」

皆急ぎ研究所施設に向かう。




施設に入り通路を先に進む。

アウク「あの部屋を抜けた先を起点にみんなばらばらに向かいましょ」

ギン「分かった」


部屋に入り前方の出口に走る。しかしそこには山のように大きいロボットが待ち構えていた。

いきなり攻撃を仕掛けてくる。

アウク「みんな散って!!」

その言葉を合図に皆そのロボの射線上から退避する。

ほぼ同時にロボが撃ったマシンガンが元いた場所をなぎ払った。

イース「な、なんだよこいつ!!」

ジロー「爆弾仕掛けたやつらが置いていったんだろ。大した置き土産だこと」

ユイ「次くるよ!!」

今度はミサイルが飛んでくる。

ギン「ちょww」

皆大慌てて走り、なんとかかわす。しかし着弾の爆発で吹っ飛ばされる。

「うわーーー!!」「キャァァァーー!!」

そんな中コギー、アウクがライフルで攻撃を仕掛けるも、硬い装甲にはダメージを与えられない。

ジロー「ならば接近してぶった斬るのみ!」

接近を試みるジローにこのロボット(アダーナ・デガーナ)は優先して攻撃を仕掛けてきた。

ジロー「ちぃ」

懐に踏み込めない。

ユイ「自動運転なのにいい動きするわね」

このままではジリ貧・・・

ハルル「みなさん、一旦退きましょう」

ギン「え?ああ!」

ジロー「わかった!」

皆元来た通路に走る。通路までは攻撃してこないようだ。

ユイ「これじゃ先に進めないよ」

イース「やっかいだな、時間がないというのに」

ギン「一か撥か突っ込んでみるさ」

ユイ「途中で集中砲火受けるのがオチよ。真っ直ぐすぎるんだから」

コギー「・・・みんなは先に行って」

ハルル「コギーさん何を言って・・・」

コギー「このロボットは人体の熱と動くもの感知して自動で攻撃を仕掛けてくるようね。
わたしがまず突っ込むからみんなは壁際を駆け抜けて」

先の通路は真向かいにある。

ギン「コギーさんだけを戦わせられないよ!」

アウク「そうよ、うちも残るわ」

コギー「だめ、アウくんはみんなをナビして行って。大丈夫よ。わたしにはこれがあるから」

コギーの前に見たことのない大型のレーザーカノンが現れる。

これはGRMの新型レーザーカノンの試作機である。テストも兼ねて銃の扱いに長けたコギーに渡されているものだ。

それでも皆がコギーだけ残るのに反対する中。

コギー「時間がないでしょ。先に行って!!」

一喝する。

確かに時間はない・・・

イース「わかった、任せる!」

ジロー「イース!?くっ、それしかないかっ」

コギー「了解!任されたw後は頼むよw」

ニコッと笑い、試作レーザーカノンを収納し走りだす。

アダーナ・デガーナの攻撃をかわしながら皆から遠くへ誘導する。

アウク「コギっちゃん・・・爆弾はうちらが必ずなんとかする。みんな行きましょう」

ギン「コギーさん、すいません」

ユイ「コギーさんあとでぷにぷにしてあげるね」

ハルル「コギーさんこれが終わったらパフェ奢りますね。必ず生きて」

皆が走り出した動きを感知したアダーナ・デガーナがアウクたちの方に向きを変えようとする。

コギー「あなたはわたしとのデートがあるでしょ。よそ見しないでね」

ドンッ!!グレネード弾をお見舞いし再び自分を標的にさせる。

皆が先に進むのを確認し、

(このまま無視して逃げきることもできるけど、どっちみち倒さなきゃいけないしね)

ここにコギー v.s. アダーナ・デガーナの幕が上がった。




起点となる地点に到着しアウクが指示を出す。

アウク「わたしが爆弾の詳しい位置と解除方法と教えるから、みんなはそれぞれ別の場所に向かって」

ガーディアンズに支給されているバッチには発信機が組み込まれており、近距離ならお互いの位置がわかる。

アウクは皆の位置を頭の中のマップに投影する。

ハルル「分かりました。誘導お願いします」




この試作レーザーカノン(後のラブ・インフェルノ)は強力だが、試作のため問題はある。

連射ができず、また発射時にすごい衝撃をガンナーに与えるため、強靭な肉体でもその後しばらく動けなくなるのだ。

故に撃てるのは一発。これを使うときは必殺でなければならない。

(下手なとこに撃ち込んでもこいつは倒せない。確実に機関部を撃ち抜く!)

しかし、このアダーナ・デガーナは出たり消えたりを繰り返し、なかなか的を絞ることができない。

重量物のレーザーカノンのため止まって構える必要がある。素早い動きには対応しづらい。

(適当に撃って外したらそれで終わり・・・待つのは死のみ・・・か)

(分析するのよ。確実に当てられる一瞬を導き出すしかない!)

(こいつが現れてから今までの動きをトレース、そこからパターンを算出する)

どんな優れたガンナーと言えど、一度発射された弾丸の軌道を変えることはできない。

すべては撃つその瞬間に決まる。

コンマ数秒のタイミングを見逃さず撃たなければならない。

(計算と分析、そして蓄積された経験から結果を構築し、正確無比な命中率を誇る。それがわたしたちキャストだ。)

その間もアダーナ・デガーナからの攻撃が止むことはない。

行動パターンの分析と、攻撃パターンの分析を同時にこなし、どうにか攻撃をかわしている。

マシンガンは走ってかわし、ミサイルはブラスターで撃ち落していく。

その攻防を何度か繰り返し・・・

(よし、分析完了、機関部解明!!次消えて現れたときがこいつの最後よ)

ここまでの戦いで直撃こそないものの、爆風や地面や壁が壊されて飛んできた鋭い石などで体はすでにボロボロである。

実質次が最後のチャンスと思って間違いない。

(消えた)

アダーナ・デガーナが消えた。

次に現れる方向は分かっている。その方向に体を向けレーザーカノンを出し、構える。

迷いはない。目はアダーナ・デガーナが現れる一点を見つめている。

(来た!)

アダーナ・デガーナが現れた瞬間、照準を微調整し、素早くかつ冷静に引き金を引き絞る。

ズギューーン!!という音と共にレーザーカノンからフォトンがほとばしる。

同時にコギーに大きな衝撃が襲い後方に弾き飛ばされる。

そして放たれた流星は鮮やかな尾を引きアダーナ・デガーナの機関部を貫いた。

(よっし!!命中~♪)

転げながらも確認する。しかし体は動かない。

間もなく激しい爆発が起こりアダーナ・デガーナが消滅した。

「ふ~大変だった~。ま、動けるようになるまで20分ってとこかな。少し休もっと」

コギーはどうにか体を仰向けにし、そのまま休止状態に入った。




ジローは走る。なぜ走るのかと問われればこう応えるだろう。

「そこに爆弾があるから」・・・・・・走れジロー!!


すでに一個の爆弾は解除した。

「あと3個は解除する必要があるな」

走るジロー。しかしその先に人影が現れる。

「ほう、ネズミが入り込んでいたか」

「誰だ!」

「貴様が知る必要はない!死ね!!!」

その細身の赤い色をしたキャストはセイバーを抜き、ジローに攻撃を仕掛けてくる。

(速い!)初太刀をセイバーで受け止めるジロー。赤と青の刃が交差し激しい火花を散らす。




部屋に誰かが入ってきた。小柄な女性である。

その女性は周りを見回しその惨状に息を呑む。

「ここでなにがあったていうの・・・」

そして右前方に倒れているコギーを見つけ駆け寄り、声をかける。

「コギーさん、大丈夫?しっかりして!」

その声にゆっくりコギーが目を開く。幾分体力は回復している。

「あら、来てくれたのね。悪いけどまだ動けないの。先に行ってちょうだい」

「うん、わかったわ。すぐ迎えにくるから待ってて」

そう返事をしルナは急ぎ先に進んでいく。




幾度か剣を交わしだんだん相手の姿が見えてきた。

「お前が爆弾を仕掛けたのか!?」

(こいつの姿・・・マガシ!?いや、奴は死んだと聞いている)

「知る必要はないと言ったはずだ」

このキャスト(クローンマガシ)はもう一本セイバーを出し、それぞれの手に逆手に持ち腰を落とす。

そして流れるような動きでジローとの間合いを詰める。

ジローは見たことのない動きに一瞬戸惑い、反応が遅れる。

そこに逆手に持ったマガシの左のセイバーがジローの右脇腹に襲い掛かる。

「ちぃ!!!」

腕だけを動かしかろうじてその斬撃を防ぐ。

しかし次の瞬間ジローの左肩に激痛が走った。見るとそこにはマガシの右手のセイバーが刺さっていた。

すでに右手は順手に持ち変えられている。

「ぐぅっ・・」ここで並みの者なら崩れ落ちるか退くところだが、ジローは反射的にマガシに

膝蹴りを食らわせていた。ドン!!

思わぬ攻撃にマガシが退く。今の膝蹴りは反射、またはビーストの本能とも言うべきものだ。

だがこの本能がジローを首の皮一枚繋ぎとめたと言える。

もし膝蹴りがなければ、次の左の斬撃でジローは殺されていただろう。

しかし、ジローの傷は深く、出血もひどい。

「この死に損ないが」

マガシは止めを刺そうと構える。

その時

「やめろーーーー!!」

叫び声と共に数本の氷の矢がマガシのもとに降り注ぐ。

「なんだと!!」

マガシは退いてかわしたが、さらに上から降りてくる冷気により足が凍らされる。

「ジロー大丈夫?」

「ルナ!?ばか、来るな!!」

「この小娘が!」

不意打ちに怒ったマガシはルナを殺そうと向かってくる。

しかし先ほど足を凍らされ思うように動けない。

さらにルナは前方に氷の壁を作り出しマガシを進行を遮った。

ルナの得意な法撃は氷系である。いかに法撃力に長けた者でも法撃の系統により得手不得手はある。

ルナが氷、イースは雷を得意とする。

ルナならば氷系の法撃のいくつかは詠唱破棄で繰り出せるのだ。

そして作り出した壁をマガシの方向に砕き、無数の氷の刃をお見舞いする。

「なにぃ!」

たじろぐマガシ。その隙を見たジローは力を振り絞りマガシへと突進する。

もう剣を振る力はない。セイバーを持った右手を脇に固定し体ごとぶつかる。

ドンッ!!マガシの脇腹を貫いた。セイバーを手から放しその勢いのまま地面に倒れるジロー。

マガシも数歩後ずさる。致命傷まではいかないが、大きなダメージを受けている。

「ぐはぁ・・・・・・ぐ・・・まぁよかろう。どうせ貴様らには何もできん」

劣勢と見るやマガシはすばやく退却する。

ルナは追わない。それよりも

「ジロー!!」

ルナがジローに駆け寄る。倒れてるジローを抱きかかえ

「しっかりして!今回復の法術かけるから」

そう言って左肩を中心に法術をかける。

「ルナ・・・オレは大丈夫だから先に爆弾の解除を」

「ダメ!こんなに血がでてるじゃない。ほっといたら死んじゃうよ」

事実ジローの出血はひどい。死なないにしても治療が遅れれば重大な後遺症を抱えることになるかもしれない。

「おまえは爆弾を解除しにきたんだろ・・・」

「だったらジローを回復させて手分けしたほうが早いわよ。ちょっとの間だけ大人しくしてなさい」

「ははは・・・口じゃかなわねぇな~」

観念したジローは回復に専念することにした。ルナにすこし体を預ける態勢になる。

「カッコわるい姿見せちまったな」

「なに言ってんの。いつものことでしょ。ホントあたしがいないと危なっかしいんだから」

「おまww・・・はは、そうだなもっと強くならないとな」

ちらと左手の腕時計を見てそうつぶやく。

先ほどの死闘と変わって束の間の穏やかな時間がそこにあった。




ゆっくり走れるほどには回復したジローとルナはそれぞれが爆弾を解除した時通信が入る。

アウク「みんなお疲れ様。爆弾は全部解除されたわ」

皆の安堵の声が聞こえる。

ギン「コギーさんはどうなった!?」

コギー「大丈夫、生きてるわよ」

ユイ「よかった~」

皆でコギーに労いの言葉をかける。

ハルル「ではみなさん、先ほどの地点に集まりましょう。目的の場所に行きますよ」


この先でイースたちは衝撃の事実を知ることとなる。
 

by kyuzou3190 | 2007-03-23 20:47 | PSU日記